話している間は何も学ばない ~ 言葉の習得に影響する「聞く」力

花のイメージ

子どもには耳で語彙力を伸ばす時期がある

関連記事に挙げたように、別記事2記事に子どもが言葉を習得する過程を調べてきました。

コミュニケーションを中心とした赤ちゃんの時代から、言葉を習い始める小学校の間に「読み聞かせ」の時期を入れるとすれば、耳で語彙力を増やしていく時期が存在することになります。

小学生の場合、「読み」ができる前の「聞く」力はかなり重要

言語学の世界でも、親による本の読み聞かせという読書の前段階と言える習慣が、幼稚園児の語彙力に強く影響することが指摘されています。(Senechal, 2006)

Verhoeven, van Leeuwe, & Vermeer(2011)が行った大規模な縦断的調査ではちょっと気になる点が指摘されていて、

小学校1年生で見られる児童間の語彙力の差は、6年生になってもほぼ変わらず差があったこと。さらには、語彙力と文章理解力は互いに高め合う相互促進関係を持っているため、学年が上がっても語彙力と文章理解力の差は拡大していく傾向があったというんですね。

子どもにとって、「聞く」力があるかないかで学力にずいぶん影響してしまうようです。

大人の場合は経験や知識で補うことができるので、そんなに深刻にならなくてもいいとは思いますけど(汗)

語学はどちらかというと「読み」「書き」という言葉が思い浮かびますが、こうしてみると確かに「読む」前に「聞く」力がかなり大きなウェイトで必要とされるみたいですね。

ちなみに、第36代アメリカ大統領のリンドン・B・ジョンソン(Lyndon B. Johnson)の名言にこんな言葉があるのを見つけました。

You aren’t learning anything when you’re talking.
話している間は何も学ばない

人が本当に学ぶ時は聞いている時で、話している時ではないという意味ですが…。

確かに、「話す」ことは自分の知っていることしか話していませんし話せません(汗)

英語を学ぶうえでも心しておきたい言葉です。

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