秋の公園

秋を表す言葉にも歴史がありました

英語では秋のことを「fall」と言ったり、「autumn」と言ったりしますよね。これってどんな違いがあるんでしょう?

ちょっと調べてみたところ、「秋」を表す古い言葉は「fall」のほうで、ゲルマン語や古英語がルーツとされているそうです。

「落ちる」という意味を持つ動詞ですが、「fall of the leaf」(落葉)や「fall of the year」(下半期)といった中英語の言い回しが短縮されて、「秋」を表す言葉が生まれたという説が有力なんだとか。

「暦」とか「年」が落っこちるってすごい言い方ですけど、秋から冬に向かう季節は太陽の光が弱くなって、昼の時間がどんどん短くなっていく時期だから、確かに「fall」なのかもしれませんね。

英語の世界って、意外と太陽を重視した世界観を持っていることが伺えます。

“fall”と”autumn”に分かれたわけ

「fall」は古い言葉で、現在は主に北米で使われています。一方、「autumn」が生まれたのは比較的新しく、16~17世紀ごろのことで、イギリスで一般的に使われる言葉と言えるようです。

「fall」も「autumn」も生まれたのはイギリスですが、その言葉を使う人は大きく分かれていました。

古くは農民を中心に収穫を意味する「harvest」という言葉が秋を表す言葉として使われていたのですが、アメリカへの移民が始まる16世紀ごろから農村部では「fall of leaves」に由来する「fall」が使われるようになりました。

一方で、上流階級はその多くが北フランスの出身だったので、古仏語の「autompne」やラテン語の「autumnus」から生まれた「autumn」という言葉を使っていたのだとか。

アメリカに「fall」が定着したのはアメリカに移住した清教徒の影響で、信仰にあつい農民で構成されていたからのようです。

17世紀以降になると、イギリスでは商業が発展して都市部が繁栄するようになり、英語を使う層が都市住民へと大きく変化します。

自然との接点が少なかった彼らは、農業の色彩が強い「harvest」や農民の使う「fall」は使わず、上流階級が使っていた「autumn」を使うようになり、それがイギリス全体に普及していきました。

だから、北米では「fall」が残り、イギリスでは「autumn」を使っているんですね。

でもこんな事情なので、イギリスで「fall=秋」というのは通じないみたいですよ。

北米では、科学や文学の世界では「autumn」を好む傾向があり、「秋の」という表現をするときには「autumnal」という言葉を使うので、それほど違和感なく理解できるんだそうです。