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文法の登場が英語の好き嫌いを大きく分けてしまうみたいです

今年、全国の中学生2,967名を対象に「第1回中学校英語に関する基本調査」がベネッセ教育研究開発センターで行われました。

この調査から、英語を「苦手」と感じている中学生は約6割もいるようです。そのうち8割弱が、「中1の後半」までに英語を苦手と感じ始めたのだとか。

一体、何があったのでしょう?

中学英語のネックは英語文法

中学生の多くが「英語が苦手」と感じる中1の後半というのは、一般動詞が出てくる時期に当たるようです。つまり、それまでは簡単な単語のつながりだったものが、一気に文法色を強める時期ですね。

アンケートでも「文法が難しい」と感じている中学生は約8割もいます。

「英語のテストで思うような点数がとれない」、「英語の文を書くのが難しい」と感じている中学生も、それぞれ7割を超えています。

でもこれは、それまでに英語の接触が足りなかったというわけではないんですよ。

アンケート結果で英語に対する取り組みを見ると、大都市、中都市では4割強が、郡部でも3割強が、中学入学以前に学習塾や英会話教室などで「英語を習っている」と答えているのです。

ただ、その内容を見てみると、「英語を聞くことや話すこと」がもっとも多く、「アルファベットの読み書き」、「発音の練習」、「歌やダンス」が続きます。

一方で「英語の文を読んだり書いたりする活動」は3割台、文法の学習は17.1%ともっとも低くなります。

つまり、日本の子どもたちは、中学で初めて文法と出会って戸惑うというわけです。

では、早い時期から文法を勉強すればいいのか? という話になりますが、そこはちょっと置いておいて、アンケート結果から子どもたちの英語に対する意識をもう少し見てみましょう。

英語は苦手!でも、好きになりたい!

受けたい英語の授業として希望が多かったのは、「入試に役立つ授業」が第1位。続いて「英語が好きになる授業」、「積極的なコミュニケーション能力が身につく授業」といった回答が続きます。

学習動機も、「あなたが英語を勉強しているのは、どうしてですか?」という問いに対して、「中学生のうちは勉強しないといけないから」と、ちょっと涙を誘う回答が最多となっています。

文法と出会って、受験のための勉強に意識が向いてしまうのでしょうか?

でも、英語の活動で見てみると、ちょっと興味深い回答が寄せられているようです。

「英語で文章や本を読むこと」は3割台とやや低めですが、好きな英語の活動には「英語を聞くこと」、「英語で話すこと」、「英語で書くこと」をあげたのが、それぞれ4割強を占めているのです。

異文化への関心も意外と高く、「外国へ行きたい」と思っている中学生は6割強。次いで「外国の人に道を聞かれたら答えられるようにしたい」、「外国の文化(生活や食べ物など)に興味がある」といった回答が続きます。

英語の興味を支える家庭の力

昔から語学学習のモチベーションを保つには、海外の有名人やスポーツ選手が好きだったり、外国の人と友達になりたいといった動機がありましたよね。

今の中学生もこうした異文化への興味が強くあるのに、学校で習う授業が少しずれていることが伺えます。

こうしたことから、文法の理解を補うために、塾などで「勉強の機会を増やす」のも一つの方法ですが、一方で「異文化の情報」に接する機会や、「英語を聞く」、「英語を話す」といった機会を与えることで、英語に対する興味を支え、好奇心の力で「文法の苦手意識」を乗り越えるという方法もありそうです。

アンケート結果では、英語に対してもっともやる気が高かった時期として、「中1の初めごろ」という回答が約4割もありました。

こうした子どもたちの好奇心に、どんなふうにこたえていくのか。受験勉強に傾いてしまう学校の授業に対し、家庭の力が大きな影響を与えることになりそうです。

【参考】
「第1回中学校英語に関する基本調査」
調査テーマ:中学生の英語学習の実態と、英語や外国に対する意識
調査時期:2009年1月~2月
全国の中学2年生2,967名(有効回答数)