折り鶴

江戸時代の「折り据え」が「折り紙」になったのは明治以降

海外の人に日本文化を体験してもらう場合、茶道、華道、踊りなどいろいろなものがありますが、折り紙は紙さえあれば気軽に楽しむことができるので人気の文化体験の一つです。

英語では折り紙のことを「paper folding」と言うのですが、日本語の「ORIGAMI」でもそのまま通じるみたいです。

でも、「paper folding」も言い方が変わっただけで「折り紙」なんですね(汗)

paper=紙
folding=折りたたみの

海外にも独自の折り紙文化がある

調べてみると、折り紙文化は意外とヨーロッパ各地に伝わっていて、スペインにも独自の折り紙文化「Papiroflexia」があるようです。

Papiro=紙
flexia=曲がった状態

こちらもまさに折り紙ですね。

751年のタラス河畔の戦いで唐の捕虜の中に紙職人がいたことからイスラム世界に製紙技術が伝えられ、イスラム系のムーア人とともにアラベスク文化の折り紙がスペインに伝わったとされているようです。

でも、この頃はイスラムの時代だったので、幾何学的なものに限られて作られていたみたいです。

日本だと普通に鶴や奴さんがありますが、こうした具体的な形をものは、イスラムでは偶像につながってしまうので×だったみたいですよ。

キリスト教の時代になると、そうした縛りもなくなるのですが、スペインで折り紙が発展するのは20世紀に入ってから。

ヨーロッパの伝統的な折り紙を研究した、哲学者ミゲル・デ・ウナムノの力によるものです。

折り紙のことを指す言葉として「cocotología」という造語があるのですが、これはフランス語の「cocotte」(ニワトリ)を意味する言葉がもとになっています。

ウナムノは自由主義的主張のため、一時フランスへ亡命していたことがあるので、その影響みたいですね。

折り紙のデザインは着物にも

世界各地に折り紙文化がありますが、でもやはり日本の折り紙文化はその中でも突出しているみたいです。

和紙の発達とともに物を包んだり飾ったりする儀礼折りが誕生し、江戸時代になると折り方そのものを楽しむ折り紙が登場します。

西鶴の「好色一代男」には「おりすえ」(折居・折据)といった表現が出てくるので、現在の「折り紙」が生まれるのはずっと後になってからのようですが、スペインのように宗教的な制限は特になかったので、造形も自在に発展してきました。

享保(1716~1744年)になると、鳥居派の描いた役者絵の中に、着物の柄に折り鶴や折据の舟が描かれたデザインが登場します。鶴などのめでたい図柄は折り紙にとどまらない人気があったようです。

明治時代になると、ヨーロッパの伝承折り紙を取り入れたドイツの教育者フレーベルの教育法を導入したこともあって、日本も幼児教育としての折り紙が見直されたようです。

「折り紙」という言葉は、ドイツ語の「Papier falten」が直訳された言葉なんだそうですよ。

Papier=紙
falten=折りたたむ

なるほど、外国語の「折り紙」を表す言葉と日本語の「折り紙」が似ているわけは、ドイツの幼児教育がもとだったんですね。