
TOEICはリーディングとリスティングの力を見るテスト
Test of English for International Communicationが正式名称で、TOEIC(トーイック)と略称します。英語を母国語としない人を対象とした、英語によるコミュニケーション能力を幅広く評価するテストです。
英語技能を評価する英検なんかとは、ちょっと違うみたいですよ。
簡単にまとめてみました。
どちらかというとビジネス向け
日本で立ち上がったTOEICテストの開発プロジェクトが、アメリカに本部があるETSにTOEICテストの開発を依頼したのが始まりで、1979年12月に第一回テストが実施されています。
合否ではなく、10点~990点までのスコアで評価されるのが特長。
テスト内容は、リスニングとリーディングの二部構成です。
常に評価基準を一定に保つ統計処理が行われているので、能力に変化がない限りスコアも一定に保たれるようになっており、「その国独自の文化的背景や言い回しを知っていなければ回答できない」といった問題は採用されていないので、世界共通の基準として活用することができるところがメリットです。
最初は日本、韓国が中心でしたが、非英語圏である東南アジアやヨーロッパ、中南米にも広がりを見せ、現在では世界共通のテストとしての役割を果たしています。
とはいえ、日本経済のグローバル化に伴って、英語によるコミュニケーション能力を磨く必要性が重視され始めたことから生まれたものなので、テストに出てくる英語はビジネスシーンでの日常生活が多く語彙や表現もビジネスで使うものが多いのが特徴。
学生がチャレンジする英検と違い、大学や短大、働く人を中心とした英語のテストと言えます。
第一回テストは3,000人程度でしたが、年々受験者数は増えているみたいですよ。
2007年 団体特別受験制度 924,000人、公開テスト 711,000人
2008年 団体特別受験制度 940,000人、公開テスト 778,000人
2009年 団体特別受験制度 919,000人、公開テスト 761,000人
2010年 団体特別受験制度 993,000人、公開テスト 787,000人
みんなどんな目的で受けているの? 企業と学校の場合
・自己啓発や英語研修の効果測定
・新入社員の英語能力測定
・海外出張や駐在の基準
・昇進・昇格の要件
・授業の効果測定
・プレイスメント(学校選定・受験支援)として
・英語家庭の単位認定基準
・推薦入試基準
ちなみに、TOEICスコアでできることの目安は、こんなふうになります。
TOEICスコア 900~990
・自分の専門分野の高度な専門書を読んで理解できる
・英語を話す人たちが行っている最近の出来事・事件についての議論を聞いて内容を理解することができる
TOEICスコア 800~895
・英語で書かれたインターネットのページから、必要な情報・資料を探し収集できる
・職場で発生した問題点について議論をしている同僚の話が理解できる
TOEICスコア 700~795
・会議の案内等の社内文書・通達を、読んで理解できる
・自分の仕事に関連した日常業務のやり方についての説明を理解できる
TOEICスコア 600~695
・自分宛てに書かれた簡単な仕事上のメモを読んで理解できる
・ゆっくりと配慮して話してもらえば、目的地までの順路を理解できる
TOEICスコア 500~595
・電車やバス、飛行機の時刻表を見て理解できる
・打ち解けた状態で”How are you?” “Where do you live?” “How do you feel?” と言った簡単な質問を理解できる
TOEICスコア 400~495
・看板を見てどんな店か、どういったサービスを提供する店かを理解することができる
※この表は、公開テストを受験した人を対象に実施されたリサーチの結果がもとになっています
TOEICの場合、コミュニケーション能力を見るテストといってもスピーキングは入りません。英語には聞く、話す、書く、読むの4技能があると言われていますが、「話す」、「書く」力は見ていないんですね。
しかも、回答はマークシート方式で四択なので、ある程度の点数は受験勉強的なテクニックで取ることができるという特徴もあります。
こうしたこともあって、TOEICスコアが高くても、「使える英語力のある人」ということにはならず、高得点を取得した人でも「英会話ができない」という人もいるようです。
また、出題される英語はビジネスシーンが中心なので、高得点を狙う場合、一般的な日常会話では使わない単語を覚えたり聞き取ったりしなくてはいけないという問題もあります。
こちらの記事も参考にどうぞ。英検に関しても調べた記事があります。
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