
習慣化しやすいのはストレスがなく簡単なものから
スピードラーニングの無料CDの中には、スピードラーニングの開発をされた方の話として英語の聞き方に関するアドバイスが収録されています。その中で、大切なこととして、「100日間、毎日聞くこと」が紹介されているんですね。
ライフスタイルを変えるために必要な時間として挙げられているのですが、100日ってどんな数字なんでしょう?
「スピードラーニングの聞き方のコツは、たくさんの英語を聞き流すこと」では、ことわざからこの数字を見ていきましたが、この記事では人間の習慣化に関する研究から見ていくことにします。
人間の習慣化には平均で66日かかる
2009年に出版された医学誌「European Journal of Socil Psychology」に、人間の習慣化に関する研究で「平均66日」という数字が出てきます。
ロンドン大学のフィリパ・ラリー(Phillippa Lally)博士らの研究チームによるものなんですが、「100日」にちょっと近いですよね。
どんな研究だったのかというと、21歳~45歳の学生96人を対象に、84日間、1日1回新しい習慣を繰り返してもらって、それがどのように身についていくのか見ていくというものです。
平均年齢は27歳。内訳は、男性30人、女性66人です。
参加者には、まず習慣化するものを選んでもらい、毎日ウェブサイトにログインして、行動の自動性について自己報告をしてもらうというもの。
ちなみに、習慣化に取り組んだ行動はこんな感じです。
飲むこと(例、昼食と一緒にボトル1本の水を飲む) 31人
運動(例、夕食の前に15分走る、朝のコーヒーを飲んだ後に50回腹筋をするなど) 34人
瞑想 4人
この結果、習慣が身につくまでにかかった平均時間は66日だったのだとか。個別で見ると、18日~254日まで幅があったみたいですよ。
簡単なものほど習慣化しやすい
ただ、かかった日数の違いは「個人差」というより、「複雑な行動が習慣化するには時間がかかる」ということのようです。
つまり…。
といった感じ。飲食に比べると運動は約1.5倍も長くかかったそうです。
英語を「聞き流す」場合、大変さの度合いはどの辺に当たるのかはわかりませんが、「運動」よりは楽そうですね(笑)
でも聞き流しでは、ウォーキングやジョギングをしながら聞き流すという人もいるようです。これは運動を伴う聞き流しです。
こうした場合、もともと習慣化したジョギングに聞き流しを加えるのは負担が少ないけれど、ジョギングも初めての場合は、その分、習慣化するのに時間がかかる… ということも考えられそうです。
聞き流しを習慣化する場合、「100日間」という数字も大切ですが、自分にとって習慣化しやすい組み合わせを考えるのも、聞き流しをスムーズに進めるためには重要な要素になりそうです。
やらないことも習慣化しちゃう?
ところで、この実験では「新たに始めた習慣を1日実践しなかった場合の影響」もあわせて検討されているんですよ。
英語の聞き流しも「毎日、聞き流す」ことが大事とされているので、やらなかったことが習慣化に影響してしまうなら気になりますよね。
でも、ご安心を。長期的に見ると、ちょっととばしたくらいでは特に問題はなかったようです。
一日とばしてしまうと、「せっかくそれまで続いていたのに」と、かなり残念な気持ちになりますが(笑)習慣化で肝心なのは、多少とばそうが何をしようが「いかに長く取り組むか」であるようです。
英語の長期学習を実践している人の三日坊主対策が雑誌で紹介されていたんですけど、こちらもけっこう参考になりますよ。