言語を1つだけ話せる人は「モノリンガル」。
言語を2つ話せる人は「バイリンガル」。
言語を3つ話せる人は「トライリンガル」。
そして言語を3つ以上話せる人のことは、「マルチリンガル」とか「ポリグロット」と言うそうですよ。
ただ、その「言語」は方言も含むのか、どの程度まで使えれば多言語話者というのかははっきり決まっていないようで…。
じゃあ、標準語と関西弁を使いこなして、英語で「ナイストゥミートゥー」と話せる管理人はトライリンガルって言っちゃっていいのかな(笑)←図々しい
多言語で最高記録を誇るエミール・クレプスさん
ともあれ、ヨーロッパのように国境が地続きという環境だと、複数の言葉を話す人は世界的に見るとけっこういらっしゃるみたいですが、それでもマルチリンガルになってくるとかなり珍しい存在になるようです。
そんな中でも桁違いのマルチリンガルがドイツの通訳者エミール・クレブス(Emil Krebs)という人で、酒井邦嘉教授の「脳の言語地図」という本によると、60カ国語もの言語を話したそうですよ。
1930年に63歳で亡くなったようですが、その脳はデュッセルドルフ大学に保存され、70年以上たった2004年に解剖検査が行われています。
その分析の結果わかったのが、左右の脳に非対称性が認められたことです。
多言語を話す人は脳にも特長がある!?
本によると、文法中枢の一部であるブロードマン44野では少なく(左右対称)、45野でいちばん大きい(左右非対称)ことがわかったのだとか。
脳の言語野に関していうと、エミール・クレブスは大人になってからも幼児のように柔軟な脳を持っていたと言えるようですが、マルチリンガルの人って脳の構造から違っていたんですね(汗)
酒井教授の調査でも、英語の文法課題の成績と、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で調べた文法中枢の体積の非対称性が相関していたという結果もあるようで、エミール・クレブスさんと同じように、左脳の45野が右脳の45野より大きい人は文法の成績がよく、特に苦労することなく文法を身に付けることができると言えるようです。
残念ながら、このようなタイプの脳を持った人は少数みたいですけどね…。
管理人は多分、違うな。
【追記】
2012年2月に放送された「日経スペシャル 未来世紀ジパング」で酒井邦嘉教授が登場して、エミール・クレブスの紹介と、左脳・右脳で左右の大きさに差があるほど言語能力が高いことが説明されていたみたいですね。
外国語を習得するコツとして、「自分の持ち味を知って、苦手な部分にも付き合いながら、語学を長く続けていく」といいという話があったようです。
英語の習得には記事で紹介したような脳の違いが表れていたりするけれど、そんな差がない普通の人が勉強する場合は継続が大切ってことかな。
近道ってないもんですね(汗)
継続するヒントになるかも。人間の習慣化に関する記事もよかったらご覧ください。