「聞く→話す」年代で大切な役割を果たしてくれる、絵本の「読み聞かせ」

絵本

文字を学ぶ前後の子どもには、耳からの情報が大きな影響

子どもが言葉を習得するとき、どんなことが起こっているんでしょう?

何か本能的なことが働いて獲得しているんでしょうか? それとも何か特別な訓練を無意識にやっているんでしょうか?

英語の聞き流し教材では、子どもが言葉を習得する過程を利用したものが多いみたいなので、実際のところはどうなのか簡単に調べてみることにしました。

赤ちゃんに関しては別記事に書いているので、この記事では3歳くらいから小学校くらいまでについてまとめてみました。

3歳~小学生は言葉をどんどん獲得していく年代

言葉を話せるようになった赤ちゃんは、お父さんお母さんや身近な人とのコミュニケーションをとおしてさらに言葉を獲得していきます。

この時期に発達するのは前頭前野の神経細胞ですが、3歳くらいになると、この部位での大きな変化は起こらなくなります。

一方で、語彙力などの言葉の知識を司る側頭葉や頭頂葉などの神経細胞が、小学校高学年くらいまでの期間をかけて成長を続けています。

この年代は使う言葉がどんどん増えていくときなので、脳の発達のしかたも納得ですよね。

近年、この時期に重視されているのが「絵本の読み聞かせ」で、子どもの本離れの対策として、また子どもの豊かな言葉の力を育む方法として注目が集まっています。

読み聞かせって何?

読み聞かせというのは、主に乳幼児や小学生の子どもを対象に、絵本などを読んで聞かせることを言います。

特に細かな決まりはないようで、アメリカでは文字を読むことに困難がある子どもの訓練のために、犬(とハンドラー)と組んで、子どもが本を読み聞かせするR.E.A.D(Reading Education Assistance Dogs)というプログラムもあるようです。

日本で注目されているのは親が子どもに絵本を読み聞かせするスタイルで、親子のコミュニケーションとして重要な役割を果たしています。

まだ文字を読めない子どもにとっては、読み聞かせをしてもらうことで始めてお話に出会うきっかけにもなっています。

耳を使った取り組みだから、文字を知らなくても知識を増やせる

耳から入る音情報である読み聞かせは、年齢が小さな子どもでも、楽しみながら本に親しむ基本を作ることができます。

絵本の中の絵はテレビと違って静止した絵ですが、読み聞かせで語りかけられる言葉をきっかけに、生き生きとしたイメージを作りあげることができるんですね。

こうした「聞く」経験が多い子どもは、人の話を聞くことができたり、聞くことでイメージする力がついてきます。

理解できる語彙が増え、相手に伝わるように話したり、読み書きの基礎を作ることができるとして、平成16年に文科省の文化審議会で答申された「これからの時代に求められる国語力について」でも指摘されています。

そして、個人差はあるようですが、この後、思春期を迎えたころから前頭前野の神経細胞が再び急激な成長を始めます。

幼年期~小学生時代に培う国語力は、こうした思春期以後に獲得する言葉の構成力の基礎となるので、取り組む姿勢一つで本当に大きな影響となりそうです。

大人の聞き流しも、子どもが耳で言葉を学習する姿にヒントがあるようです。よかったら、こちらの記事もご覧ください。

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