文法を重視する人に多く見られるようですが、スピードラーニングに出てくる会話は「簡単すぎる」という意見があります。
中には「TOIECが高得点の人にはスピードラーニングは必要ない」と言われたりするようですが、どうなんでしょう?
調べてみたところ、これにはちょっとした勘違いがあるようです。
しかもこの誤解、スピードラーニングの特徴が影響してるみたいですよ。どうしてこんな勘違いが起きるのか調べてみました。
そもそも、スピードラーニングは文法を勉強する教材ではない
こう言ってしまうと身も蓋もありませんが(汗)
そうなんです。スピードラーニングは、文法を勉強する教材ではないんですね。
スピードラーニングの内容は会話形式で、比較的簡単な文章で構成されています。なので、「文法を勉強することこそが英語の勉強だ」と思っている人にとっては、簡単過ぎて拍子抜けしてしまうようです。
でもその英文、確かに読むのは簡単ですけど、聞いてわかるでしょうか? さらには、話すことはできるでしょうか?
スピードラーニングに収録されている「自然な会話」には、英語特有の音の変化がたくさん含まれています。
多くの人はこれが理解できないため、ネイティブの英語を聞いても、相手の言っていることがわからない状態になってしまうわけです。
英語の音に関しては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
ちなみに、イード・アワードで発表される英語教材の顧客満足度調査では、2013年の「TOEIC800点以上取得者満足度」において、スピードラーニングがリスニング最優秀賞を受賞したことがありました。
TOEICが高得点の人であっても、「音」を重視する人は、スピードラーニングを高く評価する人が多いことがわかります。
要注意・文法を重視すると変な言い回しや難しい言い回しになってしまう
文法を勉強するのはとてもいいことですが、こだわってしまうと少しおかしなことになることがあるので要注意です。
単語や文法だけに頼っていると、文法的には間違ってなくても、「英語を母国語とする人はそんな言い方はしない」というケースがけっこうあるんですね。
Keep on smailing.
ずっと笑顔でいてね
【なしの表現】
Keep your smile.
あなたの笑顔を保ち続けなさい
この他にも、文法的には間違っているけど、相性がいいとして習慣的に使われる組み合わせもあるので、定型的なものは理屈抜きで丸覚えするしかなかったりします。
やり直し英語で丸覚えするのはちょっと大変ですが、上級者になると、過去にインプットした大量の蓄積から「予測」が働くようになることが言語学の研究でも確認されているようです。
この感覚を育てるのが、「多聴」や「多読」なんですね。
英語の聞き流しは効率よく英語の音に触れる「多聴」の代表的な練習方法なので、こうした感覚を身につけたい人は要検討ですよ。
また、読み書き重視の文法に、日本語的な発想で文章にしてしまうと、会話としてはかなり持って回った言い方で冷たい印象を相手に与えてしまうこともあります。
コミュニケーションの基本は信頼関係。相手に誤解を与えてしまっては、せっかく英語で話しても意味がないですよね(汗)
スピードラーニングがカバーする「聞く」力は、実は英語の技能の基礎になる
では、文法を勉強したい人には、スピードラーニングは不要かというとそうでもないみたいです。
リスニング力を伸ばすために行われるディクテーション(聞き取った英語を文章に書きとる練習)は、話す、読む、書くといった3つの技能を学ぶ際に、大きな影響があることが知られています。
このことは、「中学校高等学校学習指導要領外国語科英語編(試案)昭和26年度改訂版」でも、「聞く」技能と「読む」技能が基礎・基準となって、「書く」技能に役立つことが指摘されていて、学校教育でも重視されているんですよ。
というわけで、スピードラーニングってどんな感じかと聞かれたら、机の上でやる勉強とはちょっと違うけど、英語の基礎を鍛えるにはいい教材じゃないかな? という感じです。
開発者や制作担当者が実際に体験した出来事をもとにしているので、描かれるシーンは生活の一場面を切り取ってきたように、すぐに使える表現が多いのが特徴です。
コミュニケーションを重視したい人にぴったりですよ。
また、レッスン形式のように優しいものから難しいものへとレベルアップしていくスタイルではなく、「難しい」、「優しい」といった区別がないので、どこからでも始めることができます。
気に入った巻があれば、繰り返し聞き流すのもOKというちょっと変わったスタイルの英語教材です。
なので、一つ一つ積み上げていくように勉強していきたい人には合わないかもしれませんが、休止・停止が自由なので、自分のペースで取り組むことができるのが魅力なんですよ。
管理人は今のところ10巻で休止中。この10巻を使って聞き流しをしつつ、口慣らし(シャドーイング)を時々やって、夏くらいからディクテーション(聞いた英語を文章に書き起こす)の練習を加えつつ取り組んでいます。