言葉を思い出すとき、その言葉が使われていた場面の雰囲気ってけっこう影響してる── と思うことってありますよね。
この間、「サンダーバード ARE GO」を見て、レディペネロープの「I’m sorry?」がとても気に入った管理人ですが(笑)
後で気が付いたんですけど、この表現そのままが第2巻「旅行の英会話」に登場していたんですね。伊藤氏が機内で客室乗務員から「コーヒーにクリームと砂糖は?」と聞かれた場面です。
文字だけ見ると、レディペネロープの「I’m sorry?」とほぼ同じですよね。ペネロープのほうはかなり怒りがこもってますけど。
でも、管理人が先に思い出したのは、記事にも書いたように、第5巻「家族、友達との会話」に出てくる「Excuse me?」だったのでした。
この記事では、このことについて感想を書いておこうと思います。
覚えていた場面で重なった?
たぶんこれ、言葉を暗記していたら、第2巻「旅行の英会話」の「I’m sorry.」が最初に出てきたんじゃないかと思います。言葉そのままですもんね。
でも、伊藤氏はストレートに「今の聞こえなかった、もう一回言って」という意味で使っていますが、レディペネロープの場合は別に聞こえなかったわけじゃなく、「えっ? ちょっと、この人、何言ってんの?」という感じで、ニュアンスが少し違います。
言葉は少し違いますが、言葉を使っている人の気持ちで言えば、ブラウン夫人の「Excuse me?」がぴったりだったんじゃないかと思います。
これはやはり、スピードラーニングの聞き方に影響があるんじゃないかなと思うのです。
スピードラーニングで最初に取り組むのは、暗記はしないというのが基本。初回セットに同封されているCD「最初の100日間の聞き方」では、感性を使って聞き流しすることがすすめられています。
単語や文法を意識しすぎず、会話している人の表情や会話の背景をイメージしながら聞くわけですね。
ブラウン夫人の「Excuse me?」も、口答えする場面で使われたイメージが残っていたので、レディペネロープの「I’m sorry?」に重なったと言えそうです。
記憶の仕方そのものが違うかも
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」の2種類があります。
「短期記憶」というのは、文字どおり短い時間の記憶のことで、記憶として保っているのも秒単位で、そのままだと消えてしまう記憶です。「数字」や「意味がない文字列」で7文字程度が限界とされているので、記憶としてもそれほど多くは記憶できないみたいです。
一方、「長期記憶」は比較的長く保たれる記憶のことで、「意味記憶」と「エピソード記憶」の2種類があります。
「意味記憶」は知識や情報に関する記憶で、「事実」や「言葉の意味」、「人類共通の知識」などが対象となります。丸暗記などがこの記憶の仲間です。
「エピソード記憶」は、個人的経験に関するイベントの記憶で、特定の日時や場所などと関連した記憶として保たれます。
ブラウン夫人の「Excuse me?」は、管理人にとってエピソード記憶として残っていたと考えることができそうです。
ちなみに人の脳の働きで見ると、若いころは「意味記憶」が得意ですが、年を重ねてくると「エピソード記憶」が得意になるのが特徴みたいですよ。
「エピソード記憶」のいいところは忘れにくく、意識的に思い出すことができるという点です。
特に「覚えておこう」と意識していなくても自然に覚えていることが多く、1回体験しただけでも記憶することができる場合もあるようです。
時間とともに減少していくという特徴があるので、放っておくと忘れてしまうみたいですが(汗)豊富なエピソード記憶が意味記憶を生み出したりすることもあるようです。
こういう覚え方(思い出し方)もあるんだなぁと実感できたエピソードでした。
エピソード記憶に関してはこちらの記事もおすすめです。