ちょっと前に、雑誌に掲載されていた脳科学者の澤口俊之先生の「15歳を超えればどの年齢でもほぼ同じ」という話を記事にしました。
このとき、「語学を勉強する際に、年齢が若ければ若いほど有利ってわけでもないみたい」ということを書いたのですが、やはり有利ってわけではないみたいですよ。
外国語を習得するには「臨界期」があるという話をよく耳にしますけど、よく調べてみるとこれは「仮説」で、限界となる年齢もいろいろな説があるようです。
臨界期仮説を唱える人たちいろいろ
外国語学習について、バイリンガル教育は9歳以前に始めるべき(Penfield, 1966)
大脳の発達に伴い、言語の習得は2歳から始まって12歳ごろまでに終わる。それ以後に日常言語を超えた知的・抽象的言語の運用能力を形成することは、ほとんど困難となる(Lenneberg, 1967)
移住の際の年齢と、英語の発音には、強い負の相関関係がある。到着時の年齢が若いほど成績がよく、居住年数よりも、アメリカに初めて来た際の年齢との間に大きな相関関係がある(De Keyser, 2000)(Nakajima, 1998)
つまり、言語の習得として思春期ごろ(12歳~15歳と諸説あり)が目安になっているようです。この年齢を境に学習速度が落ちるというのが臨界期仮説が主張するところです。
なんだか、子どもじゃないと英語の勉強はできないの!? という感じですが、ただこれ、もしかすると、「効率よく、早く学ぶためには」という条件がつくんじゃないでしょうか?
アメリカで作られた英語の適正テスト「MLAT」でも、テストが見ているのは一学期とか二学期とか、比較的短い期間に取り組む学習についてのテストなわけです。
学習スピードがゆっくりであっても、最終的にはネイティブに近いくらい外国語ができるようになるケースもあるみたいなんですよね。
そんなことを反映してか、Lenneberg(1967)はこんなことを書いているそうですよ。
平均的知能を持つ者の大半は、10代の始め以降においても第二言語の習得が可能であるが、思春期以後には「言語習得障害」が急速に増すことは事実である。
一方、単にある言語が話されているのを体験するだけで自動的にそれを習得することは、思春期以降不可能となり、外国語は意識的な労多い努力によってのみ、教えられ習得されうる。
そして、外国語なまりも思春期以降容易に矯正することはできない。
しかし、人は40歳においても外国語によってコミュニケーションすることを学習するのは可能である。このことは、年齢的限界についてのわれわれの基本的仮説にとって、なんら障害とはならない。
ざっくりとした概要はこんな感じ?
↓ ↓ ↓ ↓ ↓
40歳でも勉強できるんだけどさ、でもそれ、うちらの説を否定するものじゃないから
えーっと、つまり、研究に合わないケースもあるけど、研究の邪魔だからシカトしちゃおうっていうことかな!?(汗)
ともあれ、自分の説がどうとかいう前に、「好きなら勉強してもいいのよ」ってとこをもう少し声を大にして言っといてほしいですよね。そこ、重要な人もいるんだから。
このように、臨界期といってもそんな厳格なものではなくて、幾つであっても必要があるなら勉強しても全然かまわないみたいですよ。
ちなみに、スピードラーニングを提供しているエスプリラインが実施した受講者アンケートでも、留学や海外旅行、仕事などで利用したいと答えた20代、30代の他に、英語力キープやコミュニケーションを重視して受講する方に40代、50代、60代の方もいらっしゃるみたいです。
英語の聞き流しは特に難しい技術を必要としないし、スピードラーニングは「英語」→「日本語」の順で流れるので、辞書やテキストを手に持たなくていいという魅力があります。
「辞書やテキストを見る必要がない」ということは、「最近、細かい文字を確認するのがすっかり面倒臭くなって…」という人も気軽に取り組むことができますもんね。
実際のところ、「学びたい」という情熱があれば、言葉の学習に年齢って関係ないのかもしれません。