炭治郎の羽織の市松模様には、どんな意味がある?

炭治郎の格子柄

Tanjiro’s haori is a black and green checkered pattern. It has a very long history.
炭治郎の羽織は黒と緑の市松模様です。非常に長い歴史があります。

炭治郎の羽織は、黒と緑の市松模様です。格子模様の一種で、「石畳紋」といって、家紋にも使われている歴史のあるデザインです。

一見、なんでもないデザインのように見えますが、模様の意味や色の組み合わせを陰陽五行で見てみると、ちょっとおもしろい解釈が見えてきました。

古墳時代の祭文として残る格子模様

鳥装シャーマン

古くは古墳時代に遡り、鋸歯文(きょしもん)、渦巻・蕨手(うずまき・わらびて)、袈裟襷文・斜格子文(けさだすきもん・しゃこうしもん)とともに、埴輪の服、盾、銅鐸などにも施されていた祭文の一つで、とても歴史の古い模様です。

こうした祭文には、守護、鎮魂、豊穣、辟邪の意味が込められていたと考えられているそうですよ。

そんななかでも、ちょっと興味深いのは、清水風遺跡から出土した弥生時代の土器に描かれている「鳥装のシャーマン」です。上の図の左側の線画で描かれたものですね。

肩から腰にかけて鳥の羽根飾りのついたマントのようなものを身につけていると考えられていて、向かって左側に三角文、右側に斜格子文が描かれています。

奈良県の唐古・鍵考古学ミュージアムには、その衣装を着た人形が展示されていて、それが丁度、上の図の右側の絵の感じになります。炭治郎と善逸の羽織を足したようなデザインですね(笑)

五穀豊穣を願う儀式をしていたと考えられているので、鬼退治とは少し違う職種の人ですが…

でも、日輪刀に使われている「猩々緋」と名前のついた砂鉄や鉱石の意味を考えると、意外と無関係ではないのかもしれませんよ。

竈門家みんなで着ています

現在は「市松模様」の呼び名が一般的ですが、この名前は、歌舞伎役者の佐野川市松(初代)が粂之助の役で袴に使って人気となったことがきっかけ。

公家の文化では石畳、もっと細かいものは霰(あられ)とも呼ばれていたので、江戸より以前の時代では石畳文様と呼ばれていました。

途切れることなく続く永続性のあるデザインなので、「永遠」、「子孫繁栄」、「発展拡大」といった意味を込めた縁起柄として現在も使用されています。

竈門家では、家族の服装のどこかで必ず使われているので、どちらかというと、氏族や一族を象徴したスコットランドのチェック柄の扱いに似てますよね。

継続性のある市松模様のデザインは、炭吉(すみよし)から始まるヒノカミ神楽を代々伝えてきた竈門家にぴったりの模様といえます。

五行から見る緑と黒

陰陽五行

色合いを見てみると、炭治郎の市松模様は黒と緑の組み合わせです。古代中国の五行思想では、黒は「水」を表します。炭治郎は鱗滝さんの下で、水の呼吸の使い手として修行してきたのでぴったりですね。

ちなみに、京劇の隈取では、黒は「方正」、「正直」、「勇敢」のシンボルでもあります。

そして緑は、五行思想では「木」を表します。

太陽に向かって草木が枝葉を茂らせる姿から生命力を表しますが、近年ではエコロジカルな考え方の影響もあって、安らぎや自然そのものを表す色として重視されています。

水を表す黒と、安らぎを表す緑の組み合わせは、鬼にも思いやりの心を持つ炭治郎を表すのにふさわしい色といえそうです。

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